こんにちは。スマイレアデンタルクリニック 院長の小林です。
一昨日、東大和にある松本デンタルオフィスの院長である松本先生が、世田谷駅前歯科クリニックで出張オペを行うということだったので見学をさせてもらいました。
世田谷駅前歯科の院長である井上先生や松本先生とは大学生時代からの同級生で、大学病院の医局に所属していた頃に一緒に頑張ってきた、言わば”戦友”です。松本先生は私の所属するEsthetic Explorersの他に5-D JAPANというスタディグループにも所属していて、常に勉強してどんどん新しいことに挑戦するとてもエネルギッシュな先生で、いつも話をするととても刺激を受けます。
以前も一度インプラントのオペを見学させてもらったのですが、今回また難しいオペを行うということで、再び見学させてもらうことにしました。
今回はサイナスリフト(上顎洞底挙上術)という手術で、インプラント治療の際に上あごの骨が足りない場合に骨を増やすために行うのですが、そのときに上あごの奥歯の上にある空洞(上顎洞)の内部に骨を作ります。
インプラントを成功させるためには術前の診査診断が非常に重要です。
上あごのインプラントを良い状態で長持ちさせるためには下の歯としっかり噛み合う適切な場所にインプラントを埋入しなくてはなりません。その場所にインプラントをしっかり支えるだけの骨があるかどうかをCT撮影して画像診断をします。
今回のケースではインプラント埋入に適切な位置にわずかしか骨がなかったため、インプラント治療を行なう前準備としてサイナスリフトを行うことにしたそうです。
サイナスリフトは非常に繊細な手術です。身近なもので例えると、上あごの骨が卵の殻で上顎洞の粘膜が内側の薄い卵殻膜とイメージすると分かりやすいと思います。卵の殻に器具が入るくらいの小さな穴をあけ、そこから卵殻膜を破らずに殻から剥がすという作業を想像してみてください。その作業を口の中で器具を用いて行なうというのがサイナスリフトの難しいところです。
今回のオペは歯3本分という広範囲だったのでとても慎重に手術を行っていましたが、綺麗に人工骨を入れるスペースが作られ人工骨が補填されていくのを見て単純に「すごいな」と感心しました。
口の中のオペであっても、歯科医師としてはできるだけ傷口が目立たないようにと、歯ぐきに入れる切開線にも配慮します。そういった切開線の入れ方もオペをしながら教えていただきました。
サイナスリフトを行った後は、補填した人工骨が骨に置き換わるのを数か月待ってからインプラントの埋入を行います。最終的に被せものを入れるまで1年ほどかかることもありますが、骨が不足してしまっている部分にインプラント治療を行うには必要不可欠な手術です。
骨が不足しているところに骨を作る方法を総称して”骨造成”と呼びますが、サイナスリフトを含む骨造成によって、インプラント治療の幅は大きく広がっています。
最後に、オペの見学をさせてくださった松本先生ならびに見学の場を提供してくださった井上先生にこの場を借りて御礼申し上げます。