こんにちは。スマイレアデンタルクリニック 院長の小林一久です。
みなさんは『あいうべ体操』をご存知ですか?
あいうべ体操はみらいクリニックの院長である内科医の今井一彰先生が考案した体操で、舌の筋肉を鍛えることにより口呼吸を鼻呼吸に改善するための体操です。
今回、私はこのあいうべ体操のマスターコースに参加しました。
日々患者さんを診ている中で、口の中が乾燥している患者さんはむし歯予防や歯周病予防を指導しても改善が難しいことがあります。
また、自分の子供がぽかんと口を開けているのを見るとむし歯や歯肉炎だけでなく歯並びへの影響も気になって、なんとか閉じさせたいという気持ちになります。
そういったこともあって、あいうべ体操に興味を持って本を読んだり調べているうちにマスターコースの存在を知り、受講することに決めました。
マスターコース受講者は歯科医師、薬剤師、看護師など色々な業種の方が集まっていました。
薬剤師の方は「患者さんへの薬剤の無駄な処方を減らしたい」、歯科医師の方は「予防することで歯を削ることをできる限り減らしたい」、など熱い気持ちを語っていて、みんな分野は違えど同じ目標に向かっていると感じました。
今井先生自身も元々はいかに患者さんが病院に来なくて済むようするかを考えてあいうべ体操を考案したそうで、とにかく講演者、受講者ともにコースに参加しているみなさんから「予防したい」という気持ちを強く感じました。
歯科では口呼吸はむし歯や歯周病、歯並びに悪影響を与える因子のひとつとされています。
口呼吸の状態が続くと口の中が乾燥してプラークが溜まりやすくなり、だ液の自浄作用や抗菌作用がうまく働かなくなります。
その結果、むし歯になりやすくなったり歯ぐきの炎症が起こりやすくなります。
また、長期間の口呼吸では上あごが狭くなったり、上下の歯がかみ合わなくなったり、下あごが前に突き出るようなかみ合わせになったりと、歯並びにも大きな影響を及ぼすことがあり、特に幼少期は顔面領域の発育にも影響を与えるので歯並びの影響が出やすいと考えられます。
口呼吸による弊害は歯科では昔から言われていましたが、今まではただ「口呼吸をなくすようにしましょう」と言うだけで具体的な対策はほとんどありませんでした。
口が乾燥している患者さんにだ液が出やすくなるマッサージを指導することはありましたが、口呼吸を改善するような指導はなかなかできませんでした。
しかし、これからは口呼吸がある患者さんにあいうべ体操を指導することができます。
あいうべ体操の最大の利点は誰でも簡単にできるというところです。
また、あいうべ体操は元々は「鼻呼吸で健康になる」ことを目的に考案されたものです。
なので、予防歯科のために限らず、ぜひ多くの方に試していただきたいです。
今井先生はこのあいうべ体操を広めて病気で困っている人を一人でも多く助けたいと思っているそうです。
そしてこれを一人で広めることは難しいので、あいうべ体操を広めるアドバイザーを育成するためにマスターコースをおこなうこととなったそうです。
マスターコース受講後に認定試験を受けて合格すれば《あいうべ体操アドバイザー》としてより多くの方にあいうべ体操を広めることができるのですが、私も晴れてアドバイザーとなることができました。
今後は今回得た知識を生かして、より良い予防歯科を提供したいと思います。
興味のある方はぜひご相談下さい。