| 主訴 | 前歯が欠けた。 |
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| 診断名・ 主な症状 |
今回のケースでは、前歯が欠けたことをきっかけに受診されましたが、検査をすると歯周病や噛み合わせ、歯の根の炎症など、複数の問題が重なっている状態でした。 そのため、欠けた前歯だけを修復するのではなく、お口全体の状態を考慮して治療を進めることにしました。 |
| 年齢 | 60代 |
| 治療内容 | ① 歯ぐきの治療から開始最初に、歯ぐきの状態を改善するための歯周基本治療を行いました。 歯周病がある状態で前歯の治療だけを先に進めるのではなく、まずお口の中の環境を整えることを優先しました。 ② 奥歯の噛み合わせを整える次に、奥歯の噛み合わせが崩れていたため、奥歯を中心に噛み合わせの再構成を行いました。 今回の患者様は噛む力が非常に強く、いわゆる「強い噛みしめ・歯ぎしりの傾向」がある方でした。 そのため、前歯の被せ物を作る前に、まず奥歯を含めた噛み合わせを整えることが重要でした。 ③ 前歯の根の治療噛み合わせを整えた後、上の前歯について**歯の根の先にある炎症に対する再根管治療(歯の根の治療)**を行いました。 複数の前歯に歯の根の先の炎症が確認され、そのうち1本では歯ぐきに膿が出る出口も認められました。 再根管治療後、歯の中にファイバーを利用した土台(ファイバーポスト)を入れて、被せ物を支えるための土台を整えました。 ④ シリコーン印象で精密な型取り前歯の被せ物を製作するため、**シリコーン印象材を使用した印象採得(型取り)**を行いました。 当院のスペシャルの被せ物では、このようなシリコーン印象採得を行い、歯の形や周囲の状態をできるだけ正確に記録して製作につなげています。 特に前歯は、歯の形だけでなく、隣の歯とのバランスや歯ぐきとの調和も見た目に大きく関係します。そのため、被せ物を製作するための型取りも重要な工程の一つです。 ![]() シリコーン印象採得 適切な型取りが行えている。 ⑤ フルジルコニアで前歯を修復根の治療と土台の処置が完了し、型取りを行った後、上の前歯12番から22番までをフルジルコニアで修復しました。 今回は患者様が接客業をされているため、前歯の見た目をきれいに整えることも重要でした。 一方で、非常に噛む力が強い方であったため、審美性だけでなく強度も重視したいというご希望がありました。 そこで、連続した複数の前歯を修復すること、強い噛み合わせがあることを考慮し、今回はフルジルコニアを選択しました。 治療後は前歯の見た目も自然に整い、接客業をされている患者様にも大変喜んでいただきました。 また、今回の治療をきっかけにご自身のお口の状態にも関心を持っていただき、日々のケアに対する意識も変わったとのことでした。 ![]() フルジルコニアクラウン 残った歯の色味を再現して作製してます。 今回の治療で大切にしたこと今回の症例では、「欠けた前歯だけを治す」のではなく、お口全体の状態を確認してから前歯の治療を行ったことがポイントです。 歯周病や噛み合わせに問題がある場合、前歯だけをきれいに修復しても、強い噛み合わせの力などによって被せ物や歯に負担がかかることがあります。 そのため、 歯ぐきの治療 という順番で治療を進めました。 前歯が欠けた場合でも、原因が前歯だけにあるとは限りません。 特に、歯周病や噛み合わせ、歯ぎしり・食いしばりなどがある場合には、お口全体を診査したうえで治療計画を立てることが大切です。 被せ物の材料は症例によって選択します今回のように連続した多数の前歯を治療する場合や、噛む力が非常に強い場合には、強度を重視してフルジルコニアを選択することがあります。 一方で、少数の前歯を治療する場合には、自然な透明感や色調をより重視し、ジルコニアセラミッククラウンを選択することもあります。 被せ物の材料は、治療する歯の本数だけでなく、噛み合わせ、歯ぎしり・食いしばり、見た目に対するご希望などを考慮して決定します。 そのため、すべての前歯にフルジルコニアが適しているわけではなく、患者様のお口の状態に合わせて材料を選択することが重要です。 |
| 使用装置 | マイクロスコープ シリコーン印象 フルジルコニアクラウン |
| 治療期間/ 通院回数 |
3か月/9回 前歯部のみの期間 |
| 費用 | 再根管治療 77000円×4 ファイバーポスト 19800円×4 プロビジョウナルクラウン 6600円×4 フルジルコニアクラウン(スペシャル) 154000円×4 セット 6600円×4 |
- リスク・副作用
- フルジルコニアは強度の高い材料ですが、強い歯ぎしりや食いしばりがある場合には、歯や被せ物に負担がかかることがあります。
- 根の治療を行っても、炎症が再発したり、改善が十分でない場合があります。
- 歯周病は治療後もセルフケアや定期的なメンテナンスが必要です。
- 噛み合わせを整えても、歯ぎしり・食いしばりによる負担がなくなるとは限りません。
- 被せ物は長期間使用することで、破損や外れること、再治療が必要になる場合があります。
- フルジルコニアは天然歯と全く同じ質感・透明感になるとは限らず、歯の状態によって見え方には個人差があります。
- 被せ物の材料は、治療する歯の本数や噛み合わせ、審美性などを考慮して選択します。今回のように連続した多数の前歯を治療する場合には、強度を重視してフルジルコニアを選択することがあります。一方、少数の前歯を治療する場合には、自然な透明感や色調をより重視し、ジルコニアセラミッククラウンを選択することもあります。すべてのケースで同じ材料が適しているわけではありません。












