| 主訴 | 右上の前歯の歯ぐきから膿が出て、違和感がある。 |
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| 診断名・ 主な症状 |
右上の前歯の歯ぐきから膿が出て、違和感があるとのことで来院されました。 患者様は、右上の側切歯(中央の前歯の隣の歯)が先天的に欠損しており、右上の中切歯(中央の前歯)は、過去の外傷後に応急的な処置を受けた歯でした。長い年月の経過とともに歯周病が進行し、右上の中切歯は保存が難しい状態となっていました。 これまで複数の歯科医院で相談され、矯正治療とインプラント治療を組み合わせる方法のほか、通常のブリッジなども提案されていました。しかし、歯の欠損状態や歯並び、周囲の歯とのバランスなどから、いずれの治療方法でも自然できれいな見た目に仕上げることが難しいと説明を受けていたそうです。 患者様は、矯正治療やインプラント治療を希望されず、できるだけ身体への負担を抑えた治療を希望されていました。 当院でも、歯並びや欠損部を含めた長期的な安定性を考慮すると、矯正治療とインプラント治療を組み合わせる方法が、より予知性の高い選択肢と診断しました。一方で、患者様の希望を踏まえ、ほかの治療方法についても検討することになりました。 |
| 年齢 | 40代 |
| 治療内容 | 1.診断用ワックスアップによる治療計画まず、診断用ワックスアップを行い、最終的な歯の形や位置、前歯全体の見た目を事前に検討しました。 治療方法については、矯正治療とインプラント治療を組み合わせる方法、通常のブリッジ、接着ブリッジ、ラミネートベニヤなどの選択肢について検討し、それぞれのメリットだけでなく、適応上の問題点や長期的なリスクについても説明しました。 十分に相談した結果、左上の中切歯(21番)にラミネートベニヤ、保存が難しい右上の中切歯(11番)には接着ブリッジによる修復を行う方針となりました。 今回の接着ブリッジは、一般的な適応条件から考えると慎重な判断が必要な症例です。すべての患者様に推奨できる治療ではありませんが、代替治療との違いやリスクを理解していただいたうえで、患者様の希望を尊重して選択しました。 2.歯周基本治療とデュアルホワイトニング歯周病が進行していたため、まず歯周基本治療を行い、歯ぐきの状態を整えました。 その後、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを組み合わせたデュアルホワイトニングを行いました。 ![]() デュアルホワイトニング後 前歯の審美治療では、周囲の天然歯の色調に合わせて修復物を製作することが重要です。そのため、ホワイトニング後の色調が落ち着くのを待ってから、最終的な補綴治療へ進みました。 3.右上の中切歯の抜歯とラミネートベニヤ予後不良であった右上の中切歯を抜歯し、抜歯部位の状態が落ち着くのを待ちました。 ![]() 上顎右側中切歯抜歯直後 その後、ホワイトニングによる色調の変化が安定した段階で、左上の中切歯にラミネートベニヤを装着しました。周囲の歯との色調や形の調和に配慮し、前歯全体として自然な見た目になるよう治療を進めました。 ![]() ![]() 光照射時 セット直後 4.接着ブリッジの製作と装着ラミネートベニヤ装着後、色調が落ち着いたことを確認してから、右上の中切歯の欠損部を補う接着ブリッジの治療に取り掛かりました。 ![]() ![]() ラミネートベニヤセット後1か月 シリコーン印象採得 シリコーン印象材で型取りを行い、製作した接着ブリッジをラバーダム防湿下で装着しました。 接着ブリッジは、一般的なブリッジと比べて歯を削る量を抑えられる可能性がある治療方法です。一方で、支えとなる歯の状態や噛み合わせなどによっては、脱離や破損のリスクが高くなることがあります。 今回の症例では、接着操作時の汚染を防ぐためにラバーダム防湿を行い、適切な接着操作に努めました。 ![]() ラバーダム防湿下で接着ブリッジセット 5.術後半年の経過とメンテナンス術後半年の時点では、良好な経過をたどっています。患者様の希望に沿い、外科的な処置や歯を削る量をできるだけ抑えた治療を目指しました。 ただし、半年という期間だけでは長期的な安定性を判断することはできません。今回のように一般的な適応から外れる要素がある接着ブリッジでは、装着後の経過観察が特に重要です。 そのため、患者様には就寝時のスプリント使用をお願いしています。噛み合わせによる過度な負担を抑え、修復物をできるだけ長く維持できるよう、今後も定期的に確認していきます。 当院では、治療方法の利点だけでなく、リスクや長期的な見通しについても説明し、患者様と相談しながら治療方針を決定することを大切にしています。 |
| 使用装置 | デュアルホワイトニング マイクロスコープ ラバーダム防湿 ![]() ラミネートベニヤ ![]() 接着ブリッジ |
| 抜歯部位 | 上顎右側中切歯 |
| 治療期間/ 通院回数 |
4か月/15回(歯周基本治療含む) |
| 費用 | 診断用ワックスアップ 13200円 デュアルホワイトニング 99000円 ラミネートベニヤ 154000円 接着ブリッジ 297000円 セット費用 6600円×2 |
- リスク・副作用
- 接着ブリッジは、噛み合わせや支えとなる歯の状態によって、脱離・破損する可能性があります。特に今回のように一般的な適応条件から外れる症例では、長期的な安定性に注意が必要です。ラミネートベニヤも、欠けたり外れたりすることがあり、歯の状態によっては再治療が必要になる場合があります。また、歯周病が再び進行する可能性もあるため、毎日のセルフケアと定期的なメンテナンス、就寝時のスプリント使用が重要です。



















