以前、子供のむし歯予防について(→「お子さんのむし歯予防のために①」、「お子さんのむし歯予防のために②」)と、「どうやってむし歯ができるのか?」について書きましたが、今回は大人のむし歯について少し書きたいと思います。(以下文中の「う蝕(うしょく)」とは「むし歯」のことです)
<大人のむし歯は慢性う蝕が多い>
子供のむし歯は急性う蝕が多く、その場合、むし歯は急速に進行して気付いた時には歯髄(神経)付近まで進んでいることがよくあります。
しかし、大人のむし歯は慢性う蝕といってゆっくりと進行することが多く、エナメル質の下で横方向に拡大するため、深くはないですが見かけよりも大きく広がっていることがあります。
急性う蝕と慢性う蝕の違いは以下のようになります。
急性う蝕 | 慢性う蝕 | |
年齢 | 若年者に多い | 中高年に多い |
むし歯部分の色 | 淡黄色 | 褐色~黒褐色 |
軟化象牙質(※) | 多い | 比較的少ない |
進行形態 | 穿通性 急速に細く深く進行 |
穿下性 深部で徐々に横に広がる |
※ 軟化象牙質・・・むし歯で溶かされて柔らかくなった象牙質
むし歯の進行速度や進行形態には歯質の成熟度が関連しています。
乳歯や生えたばかりの永久歯は歯質が未熟であるため、成熟した永久歯と比べるとむし歯になりやすく深くまで進行しやすいのです。
歯質が成熟するのは歯が生えてから3年ほどといわれているため、20歳頃まではむし歯ができやすい時期とされています。
大人のむし歯2へ続く・・・